2016年09月01日
『戦争と平和』・・・ロシア
戦争と平和
保守的な自論の羅列だと思われた方、ガッカリしてください( ̄▽ ̄)
トルストイ原作の小説(小がついていいのかってくらい長編)について雑感です。

ロシア文学を取り上げて
社会主義的な主張をされると思った方もガッカリしてください。
トルストイは帝政ロシア末期の作家です( ̄▽ ̄)
オストロフスキー辺りだとバリバリ出て来ますけど・・・

『月と6ペンス』の作者サマセット・モームにして
世界の10大小説と言わしめてます。←ウィキペディアによる

簡単に言ってしまいますと、19世紀のナポレオンによるロシア遠征と
それにまつわる、3つのロシア貴族の恋と凋落を描いた群像小説。
なのですが・・・
なにしろ登場人物は500人以上に加えて
名前だけでも混乱します。
(もちろん原語なんぞ読める能力は、私にはありません)
名前もロシア文学全般に言えると思いますが、
ミドルネームとかあって、な・が・い~です。
例えばアンドレイ・ニコラーエビチ・ボルコンスキー等々。
読み進むとアンドレイとかになりますので、初めて手にする時には、
主人公を中心に相関図を書いておかないと判りにくいと思います。
さて、私ですがこの小説(大河ドラマ)を最初に読破したのは、
18歳の頃。
たまたま家(何故かロシア文学全集があった)にあったので、読んでみたのです。
ただし、読む気になったきっかけがあって、
それは”日曜洋画劇場”なのです

↑ 昭和ですね~

2週にわたって放映された映画【戦争と平和】

主演は若き日のとてもきれいなオードリー・ヘプパーンでした。
いわゆる外人さんとして、こんなに清楚できれいな女性を画面を通して観た
のは初めて、という強い印象が残っています。
他にもヘンリー・フォンダとかメル・ファーラーとか出演している、
ハリウッド製超スペクタクル映画です。
ナポレオン軍との戦闘シーンなんか凄い迫力です。
CGなんかない時代ですから、エキストラだけでも凄い数!

後に判ったことですが、後に製作されたソヴィエト版の
”戦争と平和”の方が、原作に忠実です。
でも、ナターシャ役はオードリーに似た女優を探したとか

そういった訳で、読みにくい第一印象を
映画を先に観てしまったお蔭をもって、
人物のイメージが頭にあった私は、
純粋に物語を読み進めることができたのでした。
貴族と貴族、貴族から農民、そして恋から愛、裏切り、復讐、
言葉に尽くせないほどの描写が
3分の1以降にこれでもかと畳みかけます。
(私としては、前半は説明的に思え、あまり面白くないです)
この小説で描かれているのは、
戦争を通じて平和を願う!とかでは全くありません。
全体としては大河ドラマなので、それぞれのキャラクター人生を追う楽しみがあります。
ただ、読後は人(個人・集団)の考え方や生き方
そして経験したことへの捉え方について、
深く重く胸にず~ん・・・ときます。
ちなみに、ラストはハッピーエンド?です。

むやみにお薦めできない小説ですが、
お時間あれば、ご一読(一度ではすまないかも)しても
決して読んで損した感は無いと思います。
